顧問先の企業様への
インタビュー紹介

エアハース・インター
ナショナル株式会社

代表取締役社長 
木村 利惠 様

Q御社の会社概要や業務の内容について教えてください。

木村様
会社設立は2003年で今年で17年目になります。わが社は、海外でご逝去された方のご遺体とご遺骨の日本への帰国、日本でご逝去された外国籍の方のご遺体とご遺骨の母国への送還を主に行っています。これを当社の商標登録にもなっている国際霊柩送還と呼んでいます。インターネットなどでは、国際搬送を謳っているところもあるようですが、当社のような掘り下げたサービスができるとはいい難い面もありますので、本物の国際霊柩送還の啓もう活動も設立以来こつこつやってきております。

Qご遺体やご遺骨の搬送というのは、どのように行うのですか。

木村様
海外の場合、日本と違い、病院内の霊安室が無い国や気候により常温でご遺体を置くことができない国もあります。先進国ではモルグというご遺体専用のロッカーのような冷蔵庫に保管されていることが多いです。日本在住のご家族は外務省や在外公館から訃報を聞いて身元確認のために海外にいらっしゃり、モルグや病院の保冷施設等で初めての対面されることになります。
その後、海外の搬送業者とも提携し、ご遺体を日本に搬送します。最近では現地火葬を望まれる方も3割ほどいらっしゃいますが、日本の高い技術レベルで火葬できないこともあり、後で後悔してしまわれることがないように、ご遺族にきちんとご説明し、お悲しみの中選択していただいています。宗教上の理由で火葬施設がない国もあるので、第三国で火葬し日本にご帰国いただくこともあります。
空港に到着したご遺体は、日本の火葬用のお棺とは違い、規格や重量も大きく日本の火葬炉や霊柩寝台車にはそぐわない棺に納められていることがあります。わが社は独自開発したマイクロバス型、4トンのトラック型の霊柩搬送車でご遺体をお迎えし、カーゴスペースで棺の梱包を外し、対面したご遺体に対して手をかけています。
悲しいことに亡くなった方は飛行機内の気圧の変化を体で感じて対応できないので、現地側で注入された点滴や防腐液、血液が残っている場合には、そういった体液が気圧の変化で体外に出てきてしまうことがあります。そのままではご家族にご対面いただけないし、衛生上の問題もあるので、わが社では特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者の国家資格を持つ技術者がご遺体のご機嫌の悪いところを処理し、お召し物を清潔なものにお取替えし、体に傷がある場合はお手当てをしたうえで、日本の規格やその方の身長体重に合わせて納棺し安置した後、仮通夜、通夜が行える状態で、ご家族のもとにお連れしています。
魂に関わる仕事をしていますし、亡くなった方の尊厳のために、仕事をするという考えよりは、「援護する」、自分たちがやらなければという強い信念と意思をもっております。

Q海外の搬送業者とも提携し、現地での輸送も行うのですか。

木村様
我々は設立して2年目から、オランダに事務局があるFIAT-IFTA (Fédération Internationaledes Associations de Thanatologues – International Federation of Thanatologists Associations)という死亡学者協会国際連盟に単体で加盟し、2年に1回のイベントへの出席や食事などを通して、他の加盟業者と情報収集をしながら、信頼関係を構築してきました。紛争地域以外は国ごとにリレーションシップパートナーがおり、また諸島地域などでは貨幣の問題等で海外の仲間に間に入って援護してもらいながら、邦人の死亡ケースのサポートを行うことができています。

Q今までお仕事の中で、印象的なエピソードやご経験はありますか。

木村様
某国で行方不明になった邦人が残念なことに行方不明から4年目に白骨遺体で見つかりましたが、DNA鑑定で本人確認ができたのは発見から7年経っていたということがありました。また事件に巻き込まれて亡くなったという事情で、その経緯が判明しないと火葬も日本へのご帰国もできないというのが、現地捜査当局の判断で、ご両親やご遺族の強い思いにも関わらず、日本への帰国がなかなかかないませんでした。
私のことをテレビでご覧になったご遺族から連絡をいただき、私も外務省や警察庁などにも確認しご帰国に向け手を尽くしました。犯人が逮捕され、ご帰国がかなったのは行方不明から12年目でした。ご遺体のご帰国後、ご遺骨を頭があるところには頭というようにお体にあわせて並べ、お顔のところにお写真を置き、お顔を見てお別れをしていただけるようにしました。何度も書き直され8枚9枚になった死亡証明書を当社内で翻訳するのはとても悲しかったです。日本での死亡申請、火葬許可証の取得に際しても私がアテンドし、火葬も立ちあってお見送りしたというのは私の送還人生の中で印象に残っています。
また、小さい赤ちゃんが突然の病気や転落事故などで亡くなるケースもあります。若いご両親やご家族のお悲しみは本当に身を切るような思いで、会うまでは受け入れられない、会ってしまうとやはり抱きしめてあげたいと思うのが日本人の心情で、ご機嫌が悪くなってしまっている時にはみんなにさよならを言ってもらうためにお支度を整えます。お手伝いする私たちも感情移入して、張り裂けるような気持ちでわが孫のようにわが子のように接しています。

Q社長のお仕事は「エンジェルフライト」(佐々涼子さん著)という本で紹介されています。

木村様
これはノンフィクションです。実際に、現地で葬儀をあげた後、日本にご帰国した赤ちゃんのお母様と心が通じ合って、事後私のことは忘れていいのよといいながらも、彼女から一年に一度くらい連絡が来たり、こちらから返事をしたりという関係があったので、お話をしてもらえないかと依頼したら、実態を涙ながらにお話して下さいました。

Q御社の業界の今後についてはどのように考えられていますか。

木村様
確かに民間企業として利益を上げて会社を存続させるということは経営者として考えなければなりませんが、やはり根本は人助けをしたい、亡くなった方のため手をかけてあげたいということが神髄にあり、それを念頭に17年間突っ走ってきました。その中で助けてあげたいけれども助けてあげられない家族も見てきました。今私が社会に向けてやれることは、にせものではない本物の国際霊柩送還のレベルをあげることです。私が国際送還の経験の中で、海外における感染症の問題など、一般の葬儀業者さんがこの業界で扱ってこなかったことを知識として得てきました。日本で感染症がパンデミックを起こした場合を想定し、行政ともやり取りし、実際に行政との間で感染症で死亡したご遺体の搬送に関する取り決めをすることができました。
私は一般社団法人全国霊柩自動車協会の東京支部である東京都霊柩自動車協会の理事もしているので、東京都の会員に向けての感染症の怖さ、搬送業者としての心得、実際の搬送方法等について講演するなど啓蒙活動を続けており、搬送業界の礎になればと邁進しています。また将来的には国際霊柩に関しての団体を設立するなど、本職としての大きな視野で各国との窓口となるものが作れたらいいなと考えております。

Q当事務所と顧問契約を結ぶきっかけや依頼内容を教えてください。

木村様
業務の性質上、何かあった時にすぐイエスかノーか、合法的か否かという判断がスピード感を持って出来得る先生を探し、当初は、ホームページで調べて何社か訪問しました。栗林先生ともお話し、先生のお持ちのスキル、背景、国際関係にも精通していることを知り、我々も国際感で仕事をしているので、当社とお付き合い願えないだろうかということでお付き合いを開始させていただきました。
1年くらいしてから、現地業者との契約書レビューも含めて顧問という形で、エアハースのサポーターとして一員となっていただけないかということでお願いしました。

Q顧問契約を結んでよかった点を教えてください。

木村様
栗林先生は大きな企業との顧問契約もされているし、前に在籍されていた事務所さんとの大きな訴訟など大きな事件も取り扱っていらっしゃる経験豊富な先生なので、我々が考える角度からではない色々な角度からのアドバイスを頂戴出来ています。非常に固いアドバイスをいただけることには感謝していますし、お付き合いさせていただいてお力になっていただいていると思っております。

会社概要

社名 エアハース・インターナショナル株式会社(Airhearse International Inc.)
URL https://www.airhearse.com/index.html
設立 2003年(平成15年)12月
代表 代表取締役社長 木村 利惠
資本金 本社(羽田空港第一国際貨物ビル)
事業内容 外国で逝去された邦人、並びに日本で逝去された外国人の遺体の国際霊柩送還とこれに関わる火葬代行業務、書類作成・諸官庁申代行及び受理・並びに各種代行及び受理、ご遺体処置並びに一般貨物自動車運送事業(霊きゅう)及び利用運送事業、左記に付随する葬祭用具販売、左記に付随するコンサルティング並びに各種手配