顧問先の企業様への
インタビュー紹介
株式会社レンティ
代表取締役
鎌形 博 様
Q御社の会社概要を教えてください。
鎌形様
設立は昭和3年で、今年で91年目になります。業務の内容はレンタル業ですが、設立当初は貸布団すなわち現場宿舎、現場で建物を建てる人が宿舎に泊まるときに使う布団のレンタルから始まりました。東京オリンピックをきっかけに貸布団の仕事が広がっていきました。昭和の終わりころ国際展示場ができ、仕事の範囲も広がっていきました。
現在は、レンタル事業部、福祉事業部、リネン事業部の3事業部に分かれています。レンタル事業部では、主に大手自動車会社や精密機械会社など製造業に派遣している人材派遣会社さんがかまえた宿舎向けに、布団や備品、テレビ、冷蔵庫、洗濯機といった家電製品をお貸ししています。ケア事業部では、老人ホームや一般の高齢者の居宅に、車いす、介護ベッドなどをお貸ししています。リネン事業部では、ホテル、老人ホーム、病院、温浴施設、スポーツ施設に対してシーツ、ガウン、浴衣などをお貸ししています。
Q貴社のサービスの特殊性は何かありますか。
鎌形様
3事業部とも、物はどこで借りても機能的には全く一緒ですので、お客様に選んでいただく基準としては、昔は価格でしたが、最近は価格というお客様はだいぶ少なくなり、困ったときにすぐに持ってきてくれるという対応のいい会社がいいということで、そこを強みにしています。
また、エリア的には千葉だけではなく全国に展開しています。レンタル事業は、札幌、仙台、金沢、宇都宮、城南、湘南、名古屋、滋賀、福岡の全国7か所の拠点があり、それぞれのエリアで営業活動をやっています。
設備については、古いものは入れ替えをして、新しいものに変えています。在庫についてバーコード管理をし、その商品をいつ買って、どこへ行って、どのくらい回収したのか瞬時にわかるシステムをオリジナルで開発し管理しています。十分回収し終わっているのであれば、使えないものは処分しすぐ新しいものにかえることで、お客様にはよりいいものを提供できるような形になっています。また、無駄をなくし、回転率を高めることができ、売り上げにも直結してきているのかなと思います。
Q業界の特色や傾向などはありますか。
鎌形様
派遣会社さんは景気に左右される業種です。10数年前もリーマンショックで製造業がかなり影響を受けた経験があるので、今はどこの人材派遣会社さんも人を入れ込むということに慎重になってきており前のような急な減り方はないと思うのですが、米中の貿易の摩擦の影響が出ると思います。去年の9月、10月くらいから生産調整をどこの製造会社さんも行っていて、人は一度切ると集まらないのでそのまま採用している形で今推移しているのですが、長引くと人の削減に手を付けないといけないのかなという話を聞いていますので、景気の読みが難しいです。
また、傾向として、ロジスティクスとして物流の方に費用がかかりデリバリーの方に人材が集まらないということがあります。金額をあげればよいかというとそうでもありません。当社は思い切った会社の戦略として、たとえばリネン事業部ではこの工場から半径100キロ圏内から出るものについてはお断りしようと方針転換し、物流の負担、効率化を行いました。売り上げでいうと2億円近くを失ったことになったかと思いますが、今功をなして運転手にも負担をかけずに、利益率も高くなってきています。
Q今後、この業界の将来性については、どうお考えですか。
鎌形様
業種的には将来的にも需要はあると思います。たとえば、レンタルは東京オリンピック、大阪万博等、耐震建設工事の増加が見込まれます。ケアの方も、ご老人が確実に増えるので、今でも需要が伸びていくと思います。リネンの方も、外国人観光客増加でホテル、病院などの需要もあると思いますので、まだまだ拡大していく業種であると思います。
まだまだ将来性のある業界だと思っていますが、それでもAI化や、労働人口も減っていきます。その中で、当社がどう特徴を出せばいいのかということを考えていますが、私は社員に、人と人とのつながりの中で仕事がうまれて、仕事が成立するのだから、人と人とのつながり、コミュニケーションを強みにしていこうと伝えています。具体的に取り組んでいることとして、挨拶の徹底や整理整頓などがあり、月に1回講師を呼んで、社員教育等もやっています。
Q当事務所と知り合ったきかっけを教えてください。
鎌形様
先生と知り合ったのは、千葉の再生支援協議会とRCCさんからのご紹介がきっかけでした。先生の人柄もいいので、それからずっとお付き合いしています。当時は、ちょうど金融危機の後で財務的にも厳しい状況でした。今振り返るとあの場面がなかったら生き残っていけなかったと思いますが、あの時はただがむしゃらでした。
栗林
RCCさんや再生支援協議会さんから金融面でいい支援が受けられ、財務体質の改善はある程度できますが、売り上げを上げたり利益を残したりしていくところは、社長が自らやらないといけないところです。御社の場合、一旦財務体質を改善したところ、事業を安定的な軌道にのせていくところが非常にうまく行きましたよね。
鎌形様
それはやはり周りの協力もありました。金融機関のモニタリングも先生にご出席いただいていろいろアドバイスいただくなど、くじけずにやったから今があるのかなと思います。
栗林
結局金融機関さんにも負担をかけない形で改善して、千葉の地場産業の中で人の雇用や資金の流動性という面でも、世の中に役立つ結果になったのではないかと思います。また、厳しい時でも会社の方からリストラという形はしなかったですよね。その後景気が良くなったら今後は人が不足する時代もありましたが、苦しい時にもリストラをしないで乗り切ったことでその後の発展につながったのではないでしょうか。
鎌形様
結果論かもしれませんが、確かにあそこで人を減らしていたらその時はよかったかもしれませんが、そこで踏ん張った甲斐があり今社員に還元できるようになりました。
Q当事務所と顧問契約を結んでよかったことを教えてください。
鎌形様
人柄がとても大事だと思っています。栗林先生の人柄に私は感銘を受けて、栗林先生にお願いしています。仕事の面でも、いろいろと相談に乗っていただいたりして、細かいことにもちゃんと対応していただいているので、感謝しています。これからもお願いしていきたいと思っています。
会社概要
社名 | 株式会社レンティ |
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URL | https://www.renty.co.jp/ |
設立 | 昭和29年2月27日 |
代表 | 代表取締役 鎌形 博 |
資本金 | 1千805万円 |
事業内容 | 寝具レンタル、事務家具家電レンタル、ホテルリネンサプライ、病院リネン業務(シーツ・白衣・マットレス・カーテンなどの洗濯、寝具やオムツの賃貸)、ダストコントロール(玄関マット・モップ・飲料水のレンタル・販売)、イベントレンタル(地鎮祭、竣工式、パーティからテント・選挙用品・バーベキュー用品などのレンタル)、介護サービス(ケアプラン作成、申請代行や住宅改修、訪問介護、家事代行などのサービス提供、福祉用レンタル・販売)、電動ベッド、車椅子、シルバーカーなどのレンタル・販売 |