顧問先の企業様への
インタビュー紹介
株式会社仲野水産
代表取締役社長
仲野 彰芳 様
Q御社の企業概要を教えてください。
仲野様
創業は昭和54年でございまして、元々は、現在弊社の会長である父が数の子の原卵を北米の方から輸入するという事業の会社から始まっております。と言いますのは、その頃、北海道の石狩で獲れていたニシンを過剰に漁獲してしまったゆえに、枯渇してしまい、多くの人たちがその代わりとなる資源を求めて北米へ買いつけに行きました。この一役を担うべく、主に北海道の黄色いダイヤと呼ばれる数の子の化粧箱を製造しているメーカーさんに、北米から輸入してきた数の子の原卵を売るというところから始まった会社でございます。
現在は、今年で創立40周年を迎え、数の子に関して輸入事業は撤退いたしましたが、委託しております工場に味付けをしてもらい、主におせちやお寿司のパッケージに入っているような数の子の販売をメインに行っております。数の子と言いますと、おせち食材の中で子宝に恵まれるという意味もあり、欠かせない一品だと思います。コンビニで取り扱われるおせちから、ホテルで販売されるおせち等を加工する業者にも卸しております。ただ数の子は季節性が強い食材ですので、平月は国内の各浜で水揚げされる魚をそれぞれの産地で加工してもらい、それを主にスーパー量販店の持ち帰りの寿司ネタとして納品させて頂いております。
Q御社の業務で工夫されているところを教えてください。
仲野様
通常、魚の流通というのは、各浜で揚がったものを東京であれば豊洲に一度運び、そこで競りにかけられ、スーパーなどに流れていきます。そうなると、水揚げしてから翌々日くらいにお店に着くというのが、定番のタイムテーブルとなっております。しかし、私たちの場合は水揚げされて、翌日には加工した商品が納品先に届くようにしております。例えば、養殖魚の場合は、生簀に魚が泳いでおりますので、朝だいたい6時くらいに生簀から魚を揚げ、その後しめて、加工をし、午前中には出荷いたします。そこから飛行機に積み込み、その日の夜にはスーパー量販店のセンターへ納品いたします。そして、翌日の開店前にはスーパーへ届くようになっております。基本的には凍らせずにお届けしておりますので、通常市場から買うよりも一日早く納品させて頂いております。
このように、養殖魚は、生簀に泳いでいる魚を水揚、加工するので、計画販売することが出来ますが、天然魚に関しては、時化等あり安定して水揚げすることが難しい為、天然魚は水揚げ後、加工したのち冷凍します。冷凍温度帯の中で、お店にお届けいたします。スーパーなどにおいては、注文した商品が注文した日に注文した量、入荷してこないということが一番困ってしまいます。
持ち帰り寿司の場合、一貫でもネタが欠品してしまうと、その商品は成り立たないことになってしまいます。代替ネタがなんでもいいわけではありません。アレルギーの問題などで消費者の皆様が、何を食べるかということには大変敏感になっており、提供する内容が変わってしまうことは大変まずいことです。そのような意味で、注文通りに日々お届けするということが、大変重要になってきますので、天然魚に関しては冷凍をかけて、お届けするようにしております。
商品開発の大きなコンセプトとして「旬」「季節」を挙げられることが多いですが、その旬という打ち出しの中で、私たちは国産の魚を寿司ダネの一品として、提供させて頂いております。
また、寿司ダネに限らず、昨今増えているのは、お惣菜などの商品提供です。共働きのご家庭が増え、年々奥様方の調理時間が減っていく中、時短というキーワードには大変需要があります。ご家庭のみならず、レストランやスーパーでも人件費の削減や、人手不足の解消として、作業を軽減化するという動きがございます。
一例として、天ぷらやから揚げといった商品を、私どもで加熱調理加工してお届けするということです。お客様は、フライパン、電子レンジなどで温めれば、直ぐに食べられるというような商品です。そういった商品にも旬という要素を取り入れながら、商品開発しております。
また、買い物にも行けない方や手軽に料理を済ませたい方に向けたキット商品の開発にも力を入れております。野菜と魚と味付けするたれを一つのパッケージにして、販売しております。お客様はフライパンで焼くだけで一品出来上がってしまうような時短商品でご好評いただいております。お客様が求める商品や、ニーズは日々刻々変わっていきますので、そこに合わせた商品をご提案しております。
Q築地から豊洲に移転したことで、業界に影響はありましたか?
仲野様
私たちは、日本国内、様々な産地で水揚げされた魚を加工し、直接お客様にお届けしておりますので、直接的な影響はないです。今まで築地に行って魚を購入していた方々は、少し距離的に遠くなったので、多少の不便を感じているかもしれません。
場内でご商売をされていた方々は、そのまま豊洲に移転し、場外でお店を持たれている方々は、今も同じところでお仕事されています。心配されていた観光客の減少も想定していたよりも少なく、今でも観光地として多くの方々が足を運んでいるそうです。
Q今後日本の魚市場はどのように変わっていきますか?
仲野様
魚は栄養学的にも健康のためにも摂取していくべきものであると考えております。そういった中で、どのような提案をしていくかということが重要であると思います。お客様のお話をお聞きすると、骨があって食べにくいということや、下処理に手間がかかり面倒くさいというお声が多くあります。そのようなお声を参考に、今の時代にあった提案をしていくことが、お客様に買っていただける商品の提供に結び付くと思っております。
お母様方がお子様にも魚を食べさせたくても、骨があるからという理由で、遠のいてしまっているようであれば、そういった不安要素を取り除くことで解消することが出来ると思います。
Q当事務所と顧問契約を結んで、どのようなメリットを感じますか。
仲野様
コンプライアンスや法令順守に対して厳しくなっている世の中で、私たちが取引させて頂くのは大手の会社のお客様がとても多く、そうなりますと、契約の締結というのが大変重要になり、法律に関する問題が度々出てきます。そのような時、私たちには判断しかねてしまうことは、先生にご相談させていただき、ご回答を頂き、お客様にご提示するというように、助けていただいております。
弁護士の先生は、敷居が高いというイメージがあり、実際に私たちもそう思っておりましたが、栗林先生は、本当に親身になって私たちの目線でご相談に乗って下さるので、大変安心感があり、知り合いやお取引先の方にもし尋ねられることがあれば、おすすめしたいと思う先生です。
会社概要
社名 | 株式会社仲野水産 |
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URL | http://nakanosuisan.com/ |
設立 | 昭和54年9月 |
代表 | 会長 仲野健次 代表取締役社長 仲野彰芳 |
資本金 | 1,500万円 |
事業内容 | ◇各種寿司種、チルド商品、及び冷凍加工食品の製造・販売 ◇教育事業(塾経営) |