• 2022.03.24
  • 外資系企業の法務

ポーランド企業の依頼により雇用契約書や就業規則を作成した事例

栗林 勉

執筆者情報

栗林 勉Tsutomu Kuribayashi

栗林総合法律事務所の代表であり、米国ニューヨーク州の弁護士資格を有する国際弁護士。国内企業法務の他、国際的紛争の解決や国際取引に関する契約書の作成、中小企業の海外進出支援などの業務を幅広く扱っている。

事案の概要

ポーランドの会社が日本で人を雇用し、事業を行うために日本の子会社を設立しました。ポーランドの会社としては、日本で人を採用する場合の手続きについて知りたいとの要望があり、また日本の法令に基づいた雇用契約書と就業規則の作成を行いたいとの希望がありました。ポーランドの会社としては、小規模で事業を開始し、日本市場での販売状況等を確認した上で順次会社の規模を拡大していきたいとの希望を有していました。そこで当事務所に日本の労働法制についてのアドバイス、雇用契約書及び就業規則の作成、労働基準監督署や社会保険事務所への各種届出業務を行うよう依頼してきました。なお、これらの書類の作成や法律的なアドバイスについては、全て英語と日本語の両方で行って欲しいとの希望を有しています。

栗林総合法律事務所のサービス内容

外国企業が日本人や日本に在住する外国人を雇用する場合には、日本の労働法制の適用がある可能性があります。外国法人が設立する日本法人が日本に在住する外国人や日本人を雇用する場合だけでなく、外国法人が直接海外法人との間において外国人や日本人を雇用する場合であっても、当該労働者が日本で働く限り、日本の労働法制(強硬法規)が強制的に適用になります。日本の労働基準法や労働契約法では、労働条件の明示義務や解雇の制限に関して極めて厳格な規制が適用になるなど、労働者保護に関する各種規定が策定されており、当事者の合意によっても排除できない強硬法規となっています。日本法が適用される雇用契約の締結に際しては、これらの強硬法規の内容を理解しておくことは極めて重要になります。ポーランドの企業からは、日本の労働法制の適用の有無、賃金、勤務時間、休憩時間、休職、休業、解雇の問題などについて質問がなされ、当事務所ではこれらの質問事項に対し英語で回答しています。また、就業規則、賃金規定、雇用契約書などの書類作成についての依頼がありましたので、これらの労務関連書類を英語と日本語で作成しました。さらに事業開始届出、36協定書等を、税務署や労働基準監督署などに提出する業務を代行して行いました。

栗林総合法律事務所による外国企業の支援

外国企業が日本で人を採用し、採用された人が日本で勤務する場合、日本の労働法制が適用になります。採用する企業が外国企業であるか、日本の子会社であるかは関係ありません。当該労働者が日本で就業しているかどうかを基準に労働法制の適用の有無が判断されます。このように日本の法律では、労働者の国籍や雇用主の所在場所に拘わらず、日本で就労する全ての人に対して日本の労働法規を強制的に適用し、労働関係に関連する国の政策を実現しようとしています。そこで、外国会社が日本に子会社を設立し、あるいは直接、日本で勤務する労働者を雇用する場合には、日本の労働法制についての理解をしておくことは重要となります。栗林総合法律事務所では、労働基準法をはじめ、日本の労働法制について英語と日本語で説明し、日本の労働法制についての正確な理解を頂けるよう心がけています。また、日本で人を雇用する場合は、事業開始届、36協定など、税務署、社会保険事務所、労働基準監督署に対する各種届出が必要となります。当事務所では、新規に事業を開始する法人に対してこれらの届出を代行して行うこともあります。また、人を採用するに際しては、雇用契約書、雇用条件通知書、就業規則などを作成する必要があります。栗林総合法律事務所では、これらの書類を英語及び日本語で作成します。特に就業規則の作成に関しては、各会社の労働政策に関するポリシーがありますので、できるだけかかるポリシーも重視しながら、本国の就業規則の条文及び精神をそのまま維持しつつ、日本の労働法制との調和を図れるような就業規則の作成を心掛けています。なお、実際の雇用の現場においては、各種規則の作成や届出関係だけでなく、労働者の懲戒処分や解雇などにまつわる様々な法律問題が発生します。当事務所が外国企業の子会社に対してアドバイスを行う中でも、従業員の一部の者がユニオンに加入し、団体交渉を求められた案件や、試用期間中の従業員を解雇したところ、従業員の側から労働審判の申立てがなされたこともあります。栗林総合法律事務所では、従業員の解雇に関するアドバイス、労働組合との組合交渉、労働審判や労務関連訴訟などにおいて外国企業や外国企業の子会社に対する法的サービスを提供しています。栗林総合法律事務所では、単なる法的なアドバイスにとどまらず、会社を代理して組合交渉の現場に直接立ち会い、組合との協議交渉を通じて和解契約書(Settlement Agreement)の作成まで代行して行います。また、労働審判や労働関係訴訟では、会社を代理して訴訟を追行し、これまでの労務関係訴訟を通じて得られた知見をもとに訴訟戦術を提案するほか、関係当事者をヒアリングするなどして、代理人自らが証拠を作成し、意見書を作成するなど、訴訟の追行や和解の協議において積極的に関与を行っています。

費用(消費税別)

英文による雇用契約書の作成や就業規則の作成については、固定報酬で対応いたします。雇用契約書については、典型的な内容であり、当事務所の標準フォームを活用して作成する場合は5万円から10万円で作成可能です。一方英文の就業規則の作成については、各会社の要望や条件なども多く含まれることや、就業規則自体かなりの条文数になることから40万円から60万円程度を要するのが一般的です。これらの雇用契約書や就業規則の作成に際しては、依頼者からの問い合わせ事項に対する回答も英語で行いますので、日本の労働法制についても十分に理解いただくことが可能となっています。また、労働組合との団体交渉についての代理業務については、案件の性質に応じて、通常40万円から100万円の範囲内で、固定報酬額により一括して受任しています。団体交渉の準備や戦略の立案、証拠の作成、団体交渉への立会いや交渉の代理業務、和解契約書の作成などの業務が含まれます。また、解雇した従業員からの労働審判の申し立てや労働関係訴訟については、タイムチャージまたは固定報酬により受任致します。固定報酬の場合は、着手金・成功報酬制によることになり、旧日弁連の報酬規程を参考に報酬額を算定いたします。但し、外国企業や外国企業の日本子会社を代理して行うことから、各種資料の翻訳や証拠の作成などにおいて英語の資料作成が必要となる場合は、翻訳費用をついて追加でいただくことになります。