• 2022.01.20
  • 海外進出支援

ベトナムの駐在員事務所で働くベトナム人との間の英文業務委託契約書を作成した事例

栗林 勉

執筆者情報

栗林 勉Tsutomu Kuribayashi

栗林総合法律事務所の代表であり、米国ニューヨーク州の弁護士資格を有する国際弁護士。国内企業法務の他、国際的紛争の解決や国際取引に関する契約書の作成、中小企業の海外進出支援などの業務を幅広く扱っている。

事案の概要

日本企業がベトナムにおいて駐在員事務所を開設する際に、日本企業の代表者から現地での人の採用についての相談がありました。ホームページの制作やデザインの作成を行う会社ですので、定型的業務は人件費の安い海外で完成させるビジネスモデルを構築することを考えていました。また、事業が採算に乗るようであれば現地の顧客へのサービスの展開等、日本のビジネスモデルを現地で実施することも考えています。一方で、依頼者は規模の小さな会社ですので、予算に限界があり、また事業がうまくいかなかった場合の損失をできるだけ小さく抑えたいとの希望がありました。そこで、最初から子会社を設立して事業を行うというよりも、まずは駐在員事務所を開設し、現地のビジネス環境についての情報収集を行うとともに、ある程度の採算性が見込まれる段階で初めて子会社を設立して本格的に人を採用し、事業展開を図っていこうと考えていました。

栗林総合法律事務所のサービス内容

依頼者において駐在員事務所を開設することについては決定していたものの、駐在員事務所の電話受付窓口として働くスタッフの採用をどのようにすればいいかが分からないとのことでした。当事務所では、現地事業のリスクを勘案し、将来的に契約の解除を問題なく行えるよう、雇用契約書の締結ではなく、独立事業者間取引契約書を作成することをアドバイスし、英文による独立事業者間契約書(業務委託契約書)を作成しました。また、独立事業者間契約書では、現地のスタッフは、日本企業や現地企業(駐在員事務所の段階ではまだ法人格はありません)の従業員ではなく、日本企業や現地企業との間において雇用関係が成立するものではないことを明確にしています。同様に現地に派遣された日本人スタッフを個人事業主都市、現地のベトナム人スタッフを従業員とする雇用契約が成立するものでもないことを明確にする必要があります。そこで、独立事業者間契約書では、ベトナム人スタッフはあくまで個人事業主として、日本企業との間において業務委託契約を締結するものであり、労務関係にないことを明確にしています。このような独立事業者間契約書は、業務委託契約書(サービス契約書)の一種として作成されることになります。また、現地のスタッフが会社の企業秘密やノウハウをもって競業会社に就職したり、自ら類似会社を設立するリスクを避けるために、秘密保持契約条項、競業避止条項、知的財産権の帰属に関する契約条項などをしっかりと書き込み、万一の場合にも訴訟などの対応を行うことで、違法な競業行為を回避できるようにしました。多くの国では、雇用の安定を図るために、特別法によって雇用契約書の解約について制限がなされていることがあります。また、雇用契約の締結に伴い、社会保険の加入や労働関係法法令の適用があるなど、制約が伴うことがあります。これに対し、独立事業者間契約書は、独立した事業者に対する業務委託契約ですので、労働法制の適用はなく、いつでも契約を終了させることができます。一方で独立当事者間契約を行う場合には、現地の裁判所から雇用関係であると判断されることがないよう時間管理や業務の遂行についてある程度の自由を与えておく必要があります。当事務所では、独立事業者間取引について英文による契約書を作成するだけでなく、将来のリスク分析やリスク回避の手法についてもアドバイスを行います。

栗林総合法律事務所の海外進出支援

栗林総合法律事務所では、日本企業が海外の現地法人を設立する際に、現地法人の設立手続きをお手伝いするとともに、子会社、支店、駐在員事務所の各形態についてメリット及びデメリットを説明し、どのような形での海外進出が好ましいかについてのアドバイスを行っています。このようなアドバイスの中には、設立手続きの概要や設立手続きに関する費用、企業形態ごとの税務上のメリットやデメリット、ビザの取得に関するアドバイスなども含まれています。また、当事務所の現地パートナーを通じて設立手続きを代行して行うことや、現地の専門家やコンサルタントなどの紹介を行うこともあります。また、海外事業を行う場合は、人の採用、建物の賃借、現地企業との間における各種契約の締結等様々な契約書類の作成が求められることがあります。栗林総合法律事務所ではこれらの各種契約書の作成やレビューなども行っています。

費用

海外進出支援に関する弁護士費用については、タイムチャージ制となります。パートナー弁護士の1時間当たりの単価は3万5000円、アソシエイト弁護士の1時間当たり単価は2万5000円となり(いずれも消費税別)、これらの弁護士が当該案件に使用した時間に各弁護士の時間単価を掛けた金額を毎月集計して請求させていただくことになります。一方顧問契約を締結いただいているお客様については、2割のディスカウントがありますので、パートナー弁護士の場合の時間単価は3万円、アソシエイト弁護士の時間単価は2万円となります(いずれも消費税別)。お客様の業務内容をしっかり理解し、継続して適切なサービスの提供ができるようにするためにも、顧問契約の締結についてご検討ください。