株式買取交渉を行った事例
事案の概要
当事務所の依頼者I会社は、代表取締役であるAと平取締役であるBが創業者となって設立した会社です。当初はAとBが協力して会社を運営していましたが、会社の規模が大きくなるにしたがってAとBとの間に会社の運営方針について軋轢が生じてくることになりました。Aとしては、これ以上Bと共同で会社の運営を行うことはできないとの判断になり、解決方法を探るため、栗林総合法律事務所に相談に来られることになりました。
株式買取交渉のポイント
会社の支配権をめぐる紛争が生じた場合は、いずれかの当事者が株主総会で多数派を形成し、会社の経営を支配していくことになります。多数派株主としては、今後も少数株主が株主権を行使してくることで会社の経営に不安定な要素が残ってしまう可能性があります。そこで、少数株主から株式を買い取ることを検討することになります。会社法では、発行済株式総数の9割以上を有する株主は、特別支配株主として、少数株主の株式を強制的に買い取ることができます。これに対し、9割の株式を有していない場合は、少数株主に対して株式の譲渡を強制できないのが通常です。そこで多数派株主は、少数派株主に対して、任意に株式を譲渡するよう持ち掛けていくことになります。
栗林総合法律事務所による業務の結果
株式の買い取り交渉を行う場合は、いくらの買取価格で買い取るのかが極めて重要となります。栗林総合法律事務所では、依頼者からの委任を受けた後、適正な買取価格がいくらであるのかを確認する作業を行うことになりました。そこで、栗林総合法律事務所と付き合いのある会計事務所に依頼し、相続税法に基づく評価額、修正簿価純資産価格、DCFによる評価額を算出してもらいました。その結果、まずは相続税法に基づく評価額(8000万円)により株式を買取るよう提案することとし、相手方から値上げの提案がある場合は、それに応じて価格交渉をしていこうということになりました。また、相手方が株式の売却を拒否した場合には、株式併合の方法により、強制的に株式を取得するマイノリティ・キャッシュアウトの方法をとることについても交渉方針に盛り込まれました。当事務所が交渉代理人となって相手方との交渉を開始することを告げたところ、相手方も弁護士をつけたいということで、その後の話し合いは全て代理人弁護士間で行われることになりました。相手方の代理人からは、株式の売却については応じるものの、売却金額については見直して欲しいとの要望がありました。何度か交渉を行った結果、最終的には9000万円で株式の買取を行うことで合意されました。
栗林総合法律事務所のサービス内容
栗林総合法律事務所では、依頼者企業からの依頼により、少数派株主が有する株式の買い取り交渉を多く扱っております。栗林総合法律事務所のサービスには、株価の算定、マイノリティ・キャッシュアウトに関するコンサルティング、特別支配株主による株式取得、株式併合手続き、少数株主との買い取り交渉の代理、株式譲渡契約書を含むクロージングに向けた各種の契約書類の作成などが含まれます。少数派株主からの株式の買取を検討される皆様は、是非栗林総合法律事務所にお問い合わせください。