• 2020.09.01
  • 人事労務

従業員の横領について本人にヒアリングを行い、横領の事実を認めさせた事例

事案の概要

当事務所の顧問先の会社で、集金してきた金額と金庫で保管されている金額に食い違いが生じている事件がありました。金額自体は大きなものではなかったのですが、会社の代表者からの依頼により当事務所で横領の事実の有無について調査することになりました。

会社による調査

会社の従業員が横領や背任行為を行っている場合、その事実がばれれば懲戒処分に処せられることになりますし、事実上退職せざるを得ない状況になることも多いと思われます。そこで、従業員としては相当明確な証拠を突き付けられるまでは事実を否定することも多くあると思われます。会社では、経理関係の資料の調査なども行っていましたが、資料の収集が不十分で整理もきちんとされていませんでした。

ヒアリングの準備

当職らが調査を行うことになった段階で、会社の担当者に対して関係資料を全部提出するよう依頼しましたが、十分な整理もなされておらず、犯罪事実を認定する場合に必要な証拠が多く欠けていました。当職らから会社に対して、関係事実についてさらに調査するよう依頼したところ、他の経理担当者のヒアリングを行うことで、その期間中に、上司に知られることなく、他の社員が金庫に近づくことが難しいことが明らかになりました。当職らは、ヒアリングの準備として、新たに明らかになった証拠も参考に、本人の説明のどのあたりに矛盾や無理があるかを検討し、ヒアリングに備えました。

ヒアリングの実施

ヒアリングでは本人に説明の矛盾や証拠との相違について本人に聞いていくことにしました。その結果、かなり無理のある説明を一生懸命しようとしましたので、本人の説明が明らかにおかしなものになっていきました。当職らとしても、本人の説明を聞きながら、嘘をついていることの確証を得ることができました。そこで、当職らからは、もし事実関係を認めるのであれば、損害金を分割払いで返済してもらい、それ以上問題を大きくすることはないが、事実関係を認めない場合には、警察への告訴を行い、警察を加入させて捜査を行うことになるがそれでいいかを確認しました。その結果、本人から、横領の事実を認める旨の供述を得ることができました。