外国の裁判所から訴状が送られてきた時の対応
外国の裁判における訴状の送達
日本の裁判では、訴状については書記官が執行官に命じて送達をすることになりますが、アメリカでは、法律事務所の事務員による送達も有効とされています。将来外国判決が日本国内で執行される場合には、日本の裁判所による外国判決の承認が必要になります。その際に、アメリカの送達自体の有効性を争う可能性を残しておくためにも、郵便や法律事務所の事務員による訴状の送達がなされた場合には、封筒を開けずに、そのままの状態で法律事務所に相談することが重要です。
訴状の翻訳文
日本の判例上は日本語訳のない訴状の送達は無効となっています。もし日本語訳が添付されていない場合は、将来、外国判決の承認執行裁判の際に、適法な送達がなされていないとの抗弁を出すことができることになります。
栗林総合法律事務所の扱う範囲
当事務所では、日本企業が外国企業から訴訟をおこされた場合に、日本企業の代理業務やアドバイスを行っています。対象となる裁判は、アメリカ国内での訴訟が多いですが、中国、香港、シンガポール、イスラエル、トルコ、インドネシアなどの裁判所で裁判がなされることもあります。また、当事務所が加入するユーロリーガルの法律事務所を通じてイギリス、フランス、ドイツ、スイス、イタリア、スペイン、ベルギー、オランダ、ポーランド、チェコなどの訴訟手続きや紛争解決手続きにも対応可能です。
管轄の抗弁(Motion of Dismissal)
外国で訴訟を提起された場合、管轄の問題が重要となります。日本企業が外国で訴えられた場合、多くの事例では、最初の対応として管轄の不存在を争うことになると思われます。当事務所では、現地の法律事務所と協働しながら、Motion of Dismissal(管轄違いによる却下申立書)の作成、管轄に関する意見書の作成、関係証拠の作成等の業務を行います。
国際訴訟におけるリスク分析
また、当事務所では、管轄違いの抗弁を提出すると同時に和解に向けた協議・検討、訴訟戦略の策定、関係者の陳述書(Affidavit)の作成等の作業を行います。原告が求める請求が認められる可能性の分析、リピュテーションリスク、証拠の所在確認、証拠の確保、訴訟費用の見積もりを含め、訴訟の遂行に関連する様々なリスク分析などを行います。当事務所の活動には、デポジションへの同席、ディスクロージャー手続についてのアドバイス、和解条項の作成についてのアドバイス等もあります。
当事務所における国際訴訟の取扱事例
テキサス在住の個人から、テキサス州の裁判所に日本企業が訴えられた事件で、日本企業を代理して、現地代理人の選定、訴訟戦略立案、訴訟手続きの進行管理、デポジションへの立会、現地代理人との打ち合わせ、和解条件の確認などを行いました。その他、トルコの裁判手続き、インドネシアの和解手続きなど、多くの事例において、日本企業へのアドバイスを行っています。シンガポールの訴訟手続きにおいては、現地の弁護士事務所と協働して数年間にわたって訴訟手続きの追行を行いました。
海外の提携事務所
栗林総合法律事務所は、栗林が1年間研修を行ったHaynes & Boone法律事務所(アメリカテキサス州、ニューヨーク州)やシンガポールの法律事務所、ユーロリーガルのメンバーファーム、Dezan Shira法律事務所などの様々なネットワークを有しています。これらのアライアンスに属しているアメリカ、香港、シンガポール、中国、フィリッピン、オーストラリア、ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、スイス、ポーランド、オランダ、スペイン等の法律事務所を紹介することも可能です。事案の内容に応じて現地の法律事務所と一緒になってチームを結成し、依頼者の皆様の利益を図れるよう活動致します。
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