アメリカ所在の遺産についてアメリカ連邦遺産税の申告手続きを行った事例

事案の概要

アメリカで組成された投資ファンドに対して数千万円の出資持分を有する日本人が亡くなった事例において、日本国内における相続税の申告にあわせて、アメリカでの米国遺産税の申告を行いました。

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アメリカの市民権やアメリカにおける住所(ドミサイル)を有していない外国人がアメリカに相続財産を残して死亡した場合、死亡の日から9か月以内に、IRS(内国歳入庁)に対して、US Federal Estate Tax Return(連邦遺産税申告書)を提出することが必要となります。連邦税の申告については、 Form 706-NAというフォームに基づいて作成されることになります。なお、アメリカにおける申告期間については、Form4768という申請書を提出することで6か月間延長することができます。外国人がアメリカに財産を残して死亡した場合、6万ドルを超える財産に対しておよそ40%の連邦遺産税が課せられることになります。但し、日本とアメリカには日米相続税条約がありますので、被相続人が日本人の場合はアメリカ市民と同様に多額の税金(2019年度で1140万ドル)の控除を受けることができます。600万円以上の遺産がアメリカ国内にある場合、日米相続税条約の適用があるかどうかで極めて大きな差が生じてくることになります。日米相続税条約の適用を受けるためには、申告期間内に連邦遺産税の申告を行うことが必要です。多くの日本人はこの申告手続きを怠っているため、多額の遺産税が課せられるリスクにさらされています。なお、日本の相続税法には二重課税回避の規定がありますが、これは海外で支払った税金について日本の納税額から控除できるというもので、海外での納付義務が自動的に免除されるわけではありません。