イタリア企業の子会社の株主総会・取締役会の開催をサポートした事例
事案の概要
イタリア企業が日本子会社を設立し、日本における事業を営んでいました。イタリアの企業としては、日本子会社の株主総会において親会社が推薦する者を日本企業の代表者にし、日本企業に対する間接的なコントロールを施すことはできるものの、株主総会の開催など、会社法に基づく各種手続きや、賃金の計算、会計帳簿の作成、社会保険事務所への届出など、総務的な業務をどのように行うべきかについて方針が決定していませんでした。日本法人がある程度規模が大きい場合は、これらの業務についても内製化することができますが、数人の規模の会社において総務を担当する人を雇うことは経済的にも困難です。そこで、イタリアの親会社から当事務所に対して、これらのバックアップ業務(セクレタリーサービス)を包括的に受任してもらえないかと依頼がありました。親会社としては、会計帳簿のチェックを含め、金銭の面から日本子会社のチェックを常時行いたいとの希望も有しているようです。
セクレタリーサービスのポイント
日本の会社法では、株式会社や合同会社は毎年株主総会を開催し、決算の承認、取締役の選任、解任、重任、剰余金の処分(配当の決定)などの事項について決議する必要があるとされています。また、取締役の選任、解任、重任などは登記を行うことが必要となります。また、住所変更や業務内容の追加など定款変更が必要な場合も、株主総会を開催し、必要に応じて登記を行う必要があります。
栗林総合法律事務所における作業の結果
栗林総合法律事務所では、イタリア企業からの依頼により、日本子会社の定時株主総会、取締役会の開催を支援しています。イタリアの会社からは、当事務所との間で顧問契約を締結いただき、当事務所が日本子会社の日常業務の運営について、法的観点からアドバイスを行うこととなりました。また、日本の会社法の観点から、毎年要求される定時株主総会の開催サポートや登記関係の書類作成・申請業務などをあわせて依頼されています。なお、会計帳簿の作成、経理処理、給与の支払い、社会保険関係の届出業務については、当事務所と提携関係にある会計事務所が一括して受任しております。イタリア企業の日本子会社は12月末決算ですので、毎年3月に株主総会を開催することになります。当事務所は、会計事務所から送られてきた決算情報をもとに取締役会議事録と株主総会議事録を作成し、関係者にサインを頂くことになります。なお、株主総会議事録と取締役会議事録は日本語と英語の併記で作成します。また、この会社では、取締役の任期は2年とされており、監査役の任期は4年とされています。そこで、商業登記簿と会社の定款をもとに各役員の任期を確認し、任期が来た役員については改選の有無についても問い合わせを行います。仮に役員が重任する場合であっても、重任の決議を行い、登記を申請することが必要となります。当事務所では、役員の改選及び重任について登記の申請を行います。また、海外の企業では、日本子会社から得られた利益を本国に送金したいとのニーズがあります。この場合、会社法で定められた配当可能利益の範囲内において配当の決議を行い、配当金を送金することになります。これらの株主総会・取締役会の開催においては、海外の株主との間での頻繁なメールでのやり取りが必要となります。栗林総合法律事務所では、日本の法令や決議内容などを英語にして連絡し、こまめなコミュニケーションを図るようにしています。
栗林総合法律事務所のサービス内容
栗林総合法律事務所では、外国法人からの依頼により、日本子会社のセクレタリーサービスを提供しております。セクレタリーサービスの内容としては、外国法人の日本子会社を代理して、株主総会、取締役会などの開催手続、株主総会議事録・取締役会議事録の作成、法務局への登記申請、決算公告を含む財務情報の開示手続、配当金の送金などの手続きを行います。また、緊急の場合の取締役の解任や新任取締役の選任手続、増資や減資の手続、会社の住所や目的事項の変更手続、配当金の送金手続きなどもセクレタリーサービスの内容に含まれます。株主総会議事録、取締役会議事録などは英語と日本語を併記して作成しますので、日本語を読めない外国人であっても、心理的負担を負うことなく各種議事録への調印をいただくことが可能となります。また、株主総会や取締役会の開催に際しては、当事務所の弁護士が直接海外の投資家と協議して議案の内容を定めますので、日本の役員や従業員に知られることなく、総会の準備を行うことが可能となります。外国法人の皆様は当事務所にご依頼いただくことで、会社法及び金融商品取引法に基づく各種手続きを遂行することが可能となります。また、会社の資金について常に当事務所の監視を及ぼすことが可能となり、日本在住の従業員による横領や背任などの危険を回避することが可能となります。また、日本法令に基づき要求される株主総会などの手続きをすべて代行して行いますので、日本法人の管理監督の負担が大幅に軽減されることになります。なお、会計及び給与計算については、当事務所の協力事務所が代行して行いますので、ワンストップでのサービスの提供を受けることが可能です。子会社に対するセクレタリーサービス(Secretary Service)に関する当事務所の月額報酬は、5万円から10万円(子会社の規模に応じた固定報酬)となります。新規に従業員を雇用する場合よりもはるかに安い金額でこれらのサービスを受けられることが可能となります。日本子会社の運営や管理に関する費用を節約するためにも、栗林総合法律事務所のセクレタリーサービス(Secretary Service)の活用を是非ご検討ください。