• 2024.02.29
  • 一般企業法務

裁判所から株主総会招集許可決定を得た事例

事案の概要

当事務所の依頼者は非上場会社の過半数の株式を有する株主ですが、当時の代表取締役と対立する関係になっていました。当事務所の依頼者は代表取締役に対して株主総会を開催するよう再三請求してきましたが、株主総会で退任させられることを恐れた現代表取締役は株主総会を開催しませんでした。そこで、当事務所の依頼者は、裁判所に対して株主総会招集許可請求を行うよう栗林総合法律事務所に対して依頼してきました。

株主総会招集許可請求のポイント

大株主と代表取締役との間で会社の運営方針などについて対立が生じることが多くあります。大株主としては、株主総会を開催して、別の取締役を選任することで、現在の代表取締役を解任したり、任期満了をまって新しい取締役を選任したいと考えます。しかしながら、株主総会の招集は代表取締役の専権事項ですので、代表取締役が株主総会の招集をしない限り、株主総会を開くことはできません。もし取締役会の過半数の賛成により代表取締役を解職し(通常の取締役にし)別の代表取締役を選任できる場合は、問題ありませんが、仮に現在の代表取締役を支持する取締役の数が同数または過半数の場合は代表取締役の解職などもできなくなってしまいます。このように代表取締役が株主総会の招集を行わない場合は、他の方法によって株主総会を開催する必要が出てきます。会社法の規定では、株主が会社に対して株主総会の開催を請求しても会社が株主総会を開催しない場合は、当該株主は、裁判所に対して株主総会招集許可の申し立てを行い、裁判所の許可を得た上で自ら株主総会の開催を行うことができるとされています。代表取締役以外の者が裁判所の許可なしに総会を開いても無効となりますので注意する必要があります。

栗林総合法律事務所による業務の結果

少数株主が株主総会を開催するためには、まず会社の代表取締役に対して、株主総会の目的事項及び招集理由を示して株主総会招集請求を行う必要があります。栗林総合法律事務所では、依頼者(株主)の代理人として内容証明郵便により株主総会招集請求書を送付しました。その後、8週間が経過しましたが、招集請求を行った日から8週間以内の日を総会日とする株主総会の招集はなされませんでした。そこで、栗林総合法律事務所では、依頼者を代理して、会社の本店所在地を管轄する裁判所(本件では東京地方裁判所になります)に対して株主総会招集許可の申し立てを行いました。裁判所では、審尋期日が開催され、会社の代表者と申立人の双方が呼び出されました。会社の代表者からは、濫用的な申し立てであり、却下すべきであるとの主張がなされましたが、裁判所は会社側の言い分を認めず、株主総会招集許可決定を出してもらうことができました。その後、依頼者の名前で、取締役の選任を目的とする株主総会を開催して、新たに取締役数名を選任することができました。従前の取締役については、任期満了による退任をしていただくことになりました。栗林総合法律事務所では、株主総会の招集許可決定を得るだけでなく、株主総会の開催や、取締役選任の登記など、会社法及び登記手続き上必要なすべての事項について依頼者を代理して活動しています。

栗林総合法律事務所のサービス内容

会社の代表取締役が死亡したことで代表取締役がいなくなった場合や、現在の代表取締役が何らかの思惑により意図的に株主総会の開催をしないなど、何らかの理由により株主総会の開催ができない場合があります。栗林総合法律事務所では、仮代表取締役の選任申し立てを行ったり、株主総会招集許可請求を行ったりして、裁判所からの決定を得ることで、株主総会の開催を可能とし、適切な株主総会が開催されるようサポートしていきます。また、栗林総合法律事務所では、株主総会の招集手続きや株主総会の開催手続きについてもサポートしてまいります。このようなサポートの中には、株主総会招集通知書、総会シナリオ、想定問答集の作成、株主総会のリハーサルの実施、総会当日における事務局としての参加、総会運営についてのアドバイス、総会記録の録音、株主総会議事録の作成、役員就任登記の登記申請手続きなどがあります。株主総会の招集請求や、株主総会運営についてサポートを必要とする場合は、是非栗林総合法律事務所にお問い合わせください。