• 2024.02.08
  • 一般企業法務

上場会社の社外取締役に就任した事例

事案の概要

東京証券取引所に上場している上場会社から、独立社外取締役に就任するよう依頼され、独立社外取締役に就任しました。

独立社外取締役活用のポイント

コーポレートガバナンスコードにより、証券取引所に上場する会社については、プライムかスタンダードかに応じて、一定割合の独立社外取締役を選任することが求められています。単に、コーポレートガバナンスコードの要件を満たすために必要ということではなく、より積極的に独立社外取締役を活用することが求められています。独立社外取締役は、コンプライアンスの遵守に関して意見を述べるだけでなく、M&Aや重要な資産の処分、取締役の選任・解任、取締役の報酬決定など会社の運営における重要な事項について意見を述べることが求められています。日本の会社においては、一旦社長になった人がその地位を手放さないために、新陳代謝が行われず、国際的競争力を失ってきたと言われています。経営者が自分自身を評価し、いつ退くべきかを判断することは大変難しいことですが、会社の命運にとっても重要な事柄でもあります。社外取締役は、毎回開催される取締役会に出席し、情報収集を行うとともに、代表取締役との間において綿密なコミュニケーションを図り、必要な場合には、代表取締役の交代に関する役員人事についても意見を述べる必要があります。

独立社外取締役に就任した結果

栗林が就任した会社は、監査役会設置会社であり、委員会設置会社ではありませんでした。しかしながら、代表取締役の人事や取締役報酬について代表取締役が自ら決定するという体制では、代表取締役に対する十分なけん制機能が働かず、代表取締役が自らの地位を維持するために保身に走ってしまうことになります。このような体制は、会社の新陳代謝を妨げ、イノベーションを削いでしまうことになります。そこで、非公式の組織ではありますが、指名委員会・報酬委員会を設立するよう提案し、現在では、指名委員会・報酬委員会に置いて活発な議論を行う体制に代わってきました。

栗林総合法律事務所のサービス内容

栗林総合法律事務所では、上場企業及び非上場企業からの依頼により、これまで多くの会社の社外取締役、社外監査役、監督役員などに就任しています。コーポレートガバナンスの観点から意見を述べるだけでなく、会社の競争力を高めるためのイノベーションやM&Aなどについても積極的に意見を述べるようにしています。