• 2024.02.16
  • 海外進出支援

台湾での現地子会社を設立し、株主間契約書を作成した事例

事案の概要

当事務所の顧問先は、工業用の素材を生産するメーカーですが、生産コストの節減と、将来中国国内に商品を販売していくための足掛かりを築くことを目的として、台湾国内にジョイントベンチャーを設立することになりました。ジョイントベンチャーにおいては、日本企業が技術やノウハウを提供するとともに、工場の建設費用を含めてほとんどの費用を日本側で負担することになりました。一方、台湾側のパートナーは、董事長に就任し、現地の人の採用や取引先の紹介を行い、ジョイントベンチャーの運営について責任をもって行うことになりました。また、製造する商品については、日本企業のブランド名で販売することになっていましたので、実質的にはOEM契約に類似する性質も有していました。そこで、台湾の法律事務所からは日本企業と台湾企業との間における株主間契約書、物品売買契約書、商標使用許諾契約書、出向契約書等各種契約書が英文で作成され、送られてきました。当事務所は顧問先企業からの依頼によりこれらの契約書の内容をレビューし、法律上の問題点がないかどうか、日本企業にとって不利な点がないかどうかを確認しました。

株主間契約書作成のポイント

日本企業の海外進出の方法として、現地での生産活動を行うために、ジョイントベンチャーを設立したり、外国企業に一部出資を行うことで資本業務提携関係を構築し、商品やサービスの提供を行っていくことがあります。現地の人的関係や販売先を活用することができますので、外国の地において初めから独自に事業を開始する場合に比較し、よりスムーズに現地のマーケットにアプローチをしていくことが可能となります。この場合、会社の運営や商品の取引等様々な契約関係が構築されることになりますので、秘密保持契約書、商品売買基本契約書、サービスの提供契約書、商標の使用許諾契約書、従業員の派遣に関する出向契約書等様々な契約書の締結が必要となります。当事務所では、現地法人への出資及び運営に関するアドバイスを行うとともに、これらの一連の書類をレビューしたり、必要に応じてこれらの契約書を英語または日本語で作成します。当事務所には30年近くの経験の中でこれらの典型的契約に関する標準フォーマットを有していますので、標準フォーマットを活用することで、はじめから契約書のドラフトを行う場合に比較し、極めて低廉かつ迅速に契約書の作成を行うことができます。

栗林総合法律事務所における作業の結果

日本企業が51%の株式を所有し、台湾企業が49%の株式を所有するJVを設立することになりました。日本企業は、製品の製造に関するノウハウを提供するとともに、会社の設立費用や設立当初の運転資金を提供することになりました。日本企業としては、台湾におけるJVが円滑に運営されていくことが重要であり、もし経営者に不都合がある場合は、日本企業の判断で経営者の交代などを提案できるようにしておく必要があります。また、将来、何らかの事業によりJVが解散されることになった場合でも、円滑な解散により、事業価値が棄損されない方法を取り入れておく必要があります。栗林総合法律事務所では、株主間契約書をドラフトし、株主間契約書の中で、代表取締役の指名は日本企業の了解を得て行うことや、デッドロックになった場合の解散方法などをあらかじめ記載しておくようにしました。

栗林総合法律事務所のサービス内容

栗林総合法律事務所では、日本企業が海外進出を行う際の法的支援を行っています。このような支援の中には、営業拠点の探索、賃貸借契約の締結、人の採用など現地におけるコンサル的仕事や、現地法人の設立支援など、現地のプレゼンスがないと行えない業務もあります。一方で、日本から海外への輸出を行ったり、現地の販売代理店を指名して、販売代理店を通じて現地企業に対して商品を販売する場合など、日本国内にいながら海外での商品の販売やサービスの提供を行っていく方法もあります。これらの国際取引の枠組みの決定などは、相手方当事者との協議を行いながら契約書やLOIなどの文書に落とし込んでいくことができます。当事務所では、国際取引を行う場合の注意点や国際取引の始め方について、海外進出を始めて検討されているお客様から、既に多くの国際取引を行っているお客様にいたるまで、様々な企業様からのお問合せを頂いております。また、海外取引の協議内容については、LOIやMOUの形で文書に落とし込み、当事者の理解の齟齬がないようにしながら話をまとめていく支援を行っています。さらに、取引条件などについて基本的合意ができた場合には、商品取引基本契約書、動産売買契約書、サービス提供契約書、販売代理店契約書、エージェント契約書、ライセンス契約書等、依頼者の実情に応じた様々な種類の契約書を作成し、円滑な海外取引が実施できるよう支援しています。海外進出支援に関する弁護士費用については、タイムチャージ制となります。パートナー弁護士の1時間当たりの単価は5万5000円、アソシエイト弁護士の1時間当たり単価は3万3000円となり(いずれも消費税込)、これらの弁護士が当該案件に使用した時間に各弁護士の時間単価を掛けた金額を毎月集計して請求させていただくことになります。一方顧問契約を締結いただいているお客様については、2割のディスカウントがありますので、パートナー弁護士の場合の時間単価は4万4000円、アソシエイト弁護士の時間単価は2万6400円となります(いずれも消費税込)。顧問契約を締結いただいたお客様に対しては、日本語の契約書や英語の契約書の作成レビューなどのサービスだけではなく、電話やeメールによる日常の法律相談など、お客様の業務内容をしっかり理解し、継続して適切なサービスの提供ができるようにするためにも、顧問契約の締結についてご検討ください。