• 2024.02.16
  • 海外進出支援

イタリア企業と日本企業との間のJV契約書についてアドバイスを行った事例

事案の概要

イタリアの企業から日本の会社に対して、イタリア国内でジョイントベンチャーを設立し、日本のサービスをイタリア国内で展開することの提案がありました。日本の企業としては日本のビジネスモデルを初め国際的に展開することになり、このジョイントベンチャーが成功する場合は、イタリア国内だけでなく、全ヨーロッパやアメリカにおいても類似のサービスの提供を行っていきたいと考えていました。ジョイントベンチャーの資本金は50%を現地の共同パートナーが拠出し、残りの50%を日本企業が拠出することになっています。また、日本企業はノウハウや原材料の提供などを行い、現地のパートナーは日常のオペレーションを担当することが決まっていました。当事務所は、日本企業からの依頼に基づき、ジョイントベンチャー契約書のレビューや、契約条項の内容についての協議調整を行いました。

ジョイントベンチャー契約書のポイント

海外進出の方法としては、現地に子会社・支店・出張所を設けることの他、現地企業からの支援を受けるためにジョイントベンチャーを設立する方法が検討されます。ジョイントベンチャーでは、現地の会社からの情報をうまく取得することが可能で、円滑な事業の遂行に資することになります。しかしながらジョイントベンチャーでは、必要経費の負担や、会社の管理運営について意見の相違が生じる場合が多くあります。なお、ジョイントベンチャー契約書では、デッドロックの解消方法や、相手方の持ち分を優先的に買い取ることができる権利である先買権(ファースト・リフューザル・ライト)など、共同出資者間で意見対立が生じたときにどのように解決するかについて予め定めておくことが重要となります。デッドロックの解消方法と、これに関する英文契約条項のサンプルについては当事務所のブログにおいて詳しく記載されていますので参照ください。栗林総合法律事務所は、ジョイントベンチャーの運営方法についてアドバイスを行うほか、デッドロックの解消方法について様々な提案を行っています。当事務所は、アメリカ、中国、東南アジア、ヨーロッパのジョイントベンチャーの設立や運営についてアドバイスを行っています。

栗林総合法律事務所における作業の結果

イタリアでジョイントベンチャーを設立する場合は、イタリア法に基づいて会社の設立・運営が行われることになりますので、契約書の条文についてはイタリアの会社法に基づいて作成する必要があります。本件では、イタリアの弁護士がファーストドラフトを作成し、私どもの方でその内容をレビューし、問題がある場合はファーストドラフトに対するカウンタープロポーザルを提案するという形で協議が進められることになりました。当事務所で確認する限り、ジョイントベンチャー契約書の内容については、公平なものとなっており、日本企業が不利な扱いを受けることはなさそうでした。但し、日本の企業からは、代表取締役については日本人とイタリア人の共同代表性にし、イタリア人だけで重要な事項を勝手に取り決めることがないようにして欲しいと指示があり、この点を契約書に反映してもらうことになりました。

栗林総合法律事務所のサービス内容

栗林総合法律事務所では、日本企業が海外進出を行う際の法的支援を行っています。このような支援の中には、営業拠点の探索、賃貸借契約の締結、人の採用など現地におけるコンサル的仕事や、現地法人の設立支援など、現地のプレゼンスがないと行えない業務もあります。一方で、日本から海外への輸出を行ったり、現地の販売代理店を指名して、販売代理店を通じて現地企業に対して商品を販売する場合など、日本国内にいながら海外での商品の販売やサービスの提供を行っていく方法もあります。これらの国際取引の枠組みの決定などは、相手方当事者との協議を行いながら契約書やLOIなどの文書に落とし込んでいくことができます。当事務所では、国際取引を行う場合の注意点や国際取引の始め方について、海外進出を始めて検討されているお客様から、既に多くの国際取引を行っているお客様にいたるまで、様々な企業様からのお問合せを頂いております。また、海外取引の協議内容については、LOIやMOUの形で文書に落とし込み、当事者の理解の齟齬がないようにしながら話をまとめていく支援を行っています。さらに、取引条件などについて基本的合意ができた場合には、商品取引基本契約書、動産売買契約書、サービス提供契約書、販売代理店契約書、エージェント契約書、ライセンス契約書等、依頼者の実情に応じた様々な種類の契約書を作成し、円滑な海外取引が実施できるよう支援しています。海外進出支援に関する弁護士費用については、タイムチャージ制となります。パートナー弁護士の1時間当たりの単価は5万5000円、アソシエイト弁護士の1時間当たり単価は3万3000円となり(いずれも消費税込)、これらの弁護士が当該案件に使用した時間に各弁護士の時間単価を掛けた金額を毎月集計して請求させていただくことになります。一方顧問契約を締結いただいているお客様については、2割のディスカウントがありますので、パートナー弁護士の場合の時間単価は4万4000円、アソシエイト弁護士の時間単価は2万6400円となります(いずれも消費税込)。顧問契約を締結いただいたお客様に対しては、日本語の契約書や英語の契約書の作成レビューなどのサービスだけではなく、電話やeメールによる日常の法律相談など、お客様の業務内容をしっかり理解し、継続して適切なサービスの提供ができるようにするためにも、顧問契約の締結についてご検討ください。