工事請負代金支払請求訴訟を提起した事例

事案の概要

全国規模で建築工事を行うA社と地元の建築業者であるY社が、JVを構成して、県が実施する公共事業の入札で工事を受注しました。当事務所の顧問先のS社は、JVから下請けとして工事を請け負い、発注書に基づいて工事を完成させ、引き渡しを行いました。請負代金1500万円を請求したところ、お金の入金がなされる前にA社が民事再生法の適用申請を行うことになりました。そのため、S社の担当者から当事務所に相談に来られ、建築工事代金が再生債権になった以上、回収は難しいか問い合わせがありました。

当事務所で契約書などを確認したところ、S社の契約の相手方は民事再生を行ったA社というよりも、A社とY社とのJVではないかと考えられました。また、JVの構成員の責任に関する過去の判例を調査したところ、連帯保証債務を負う場合と負わない場合があるが、本件のように共同で同一区間の工事を完成する事業を行っているような場合には、連帯責任にあるとの判例が優勢であることが判明しました。そこで、S社からの正式の依頼を受け、請負工事代金の支払い請求訴訟を提起することになりました。

裁判における解決

第一審の訴訟手続きにおいては、裁判官も当方の主張に理解を頂き、被告であるY社に対して和解を行うよう勧めていただきましたが、Y社の側では最後まで和解を拒否し、和解は成立しませんでした。そこで、裁判では、原告の申立てを全部認める内容の原告勝訴判決を頂くことになりました。S社の勝訴判決については、仮執行宣言付きとなっていましたので、S社は第一審の勝訴判決を受けた後、すぐにY社の銀行預金の差押えをしております。

その後、Y社の側から控訴がなされましたが、高等裁判所の裁判官も、地裁の判決は妥当であるとの意見を述べられ、第1回期日において弁論を終結し、判決言い渡し期日の指定がなされました。但し、高等裁判所の裁判官から、判決言い渡しまでの間に和解の期日を入れるので、その席で和解の可能性について検討して欲しいとの話がありました。

その後、高等裁判所で定めた和解期日において双方の代理人間で話をしたところ、Y社の側から請求額の8割を現金で直ちに支払うので、和解をしてほしいとの提案がなされました。S社の側でも早期に紛争を解決したいとの希望があったことから、和解を受諾することになりました。

当事務所のサービス内容

当事務所では顧問先企業の依頼により様々な方法での債権回収業務を行っています。債務者との協議交渉による回収が中心となりますが、法律関係の難しい事件においては裁判所に訴訟を提起し、裁判所の判断で債権の存否を確定せざるを得ないこともあります。

当事務所では、一般的に回収が困難とみられるケースにおいても、少しでも多くの回収を得られるよう様々な検討を行い、実際に回収をしてきた実績を有しています。そのようなケースには、債務者が民事再生法の申立てを行ったケースで、債務者(民事再生会社)との和解により一定額の支払いを受けたケースや、債務者が破産開始決定を受けたケースで連帯保証人から債権回収を行ったケース、商事留置権による建物の留置や動産売買先取特権による差押えなどを通じて債権の回収を行ったケースなどもあります。また、債務者が資産を隠匿する目的で会社分割を行い、事業の大部分を別会社に移した事案において、詐害行為取り消し訴訟を提起し、裁判の中で依頼者の債権全額の回収を行ったケースもあります。

当事務所では、依頼者の権利の確保を図るため、証拠の分析、法律関係の調査、関係者からのヒアリング、証拠資料の作成などを通じて、勝訴判決が得られるよう最大限の努力を行っていきます。

弁護士費用

訴訟については着手金、成功報酬方式により計算されます。基準となる金額は旧日弁連の報酬等基準を参考にして定めております。

経済的利益が300万円から3000万円以下の場合

着手金5%+9万円、成功報酬10%+18万円

経済的利益が3000万円から3億円以下の場合

着手金3%+69万円、成功報酬6%+138万円

例1)訴訟提起により3000万円の請求をして、裁判所から1000万円の債権が認められた場合(税別)
着手金3000万円×3%+69万円=159万円
成功報酬1000万円×5%+9万円=59万円

例2)1000万円の請求をして、1000万円の債権が認められた場合
着手金1000万円×5%+9万円=59万円
成功報酬1000万円×10%+18万円=118万円

地裁の裁判に対し控訴がなされた場合や、強制執行を行う場合は上記とは別に別途費用を要することになりますので、ご相談ください。