• 2020.10.08
  • 海外進出支援

日本企業の海外展開支援

国際法的サポートの重要性

日本国内の人口減少などによる国内需要の減少が見られる一方で、東南アジアなどの国々では、人口は増加傾向にあり消費の拡大とともに経済も安定的な成長を続けています。そのような状況下において、世界の市場を求めて国内の企業が海外に進出する動きが見られ、日本政府も中小企業の海外進出を積極的に促進しているところでもあります。しかし、国内で事業を行うのとは異なり、外国においては国内とは取引における慣習、法制度、文化などが異なります。そして海外進出をどのような方法によって行うのかに関わらず、海外進出において一度紛争が生じた場合には、法制度の違いや、特に訴訟となった場合には現地弁護士への依頼が必要となることなどから、その対応には多額の費用や時間がかかることが想定されます。そのため事前に進出先の国の取引慣行や法制度などについて、海外進出の方法に応じて、十分に調査、検討しておくことによって、生じ得るリスクを法的な観点からも予想し、そのリスクへの対応策を講じておくことが後々の大きな損失を招くリスクを最小限に抑えるために非常に重要なものとなってきます。

海外進出の方法

貴社の商品やサービスを海外で販売し、または貴社の商品を海外で製造することの重要性は理解できるがどこから手を付ければいいかが分からないことも多いと思われます。中小企業の海外進出を考える場合、日本にいながら国際的取引を行う場合と、現地に何らかの拠点を設ける場合が考えられます。日本にいながら海外との取引を行う方法としては、輸出により国内から海外との取引を行う方法、海外の企業へ生産委託やOEM契約を行う方法、フランチャイズ契約、販売店契約、代理店契約などによって現地の企業に貴社の商品やサービスを販売してもらう方法が考えられます。

現地に拠点を設ける場合

現地に拠点を設ける場合は、どのような拠点を設けるかを検討しなければなりません。貴社が独自に現地の拠点を設ける方法としては、現地の営業所の設置、支店の開設、子会社の設立の3つの方法があります。独自に拠点を設ける場合は、売り上げは全て貴社に帰属することになりますし、貴社の仕事を専属で行ってくれますので、効率がいいと考えられます。しかしながら一方で様々な費用を自ら負担しなければいけませんので、売り上げが上がる前にかなりの支出が伴う可能性があります。そこで、自ら新たに拠点を設けるのではなく、現地の企業と協働して拠点を開設する方法としてジョイントベンチャーを活用することが考えられます。また、すでにある企業を買収する方法としては、現地企業の株式を取得する方法と、事業の譲渡を受ける方法があります。

栗林総合法律事務所の業務内容

当事務所では、日本企業が海外進出の具体的な方法を検討するに際して、進出の目的、スケジュール、投下可能な資金の程度、現地でのネットワークの有無、人材の確保の見通し、現地の法制度、税制などの情報を踏まえたうえで、法的観点からのそれぞれの方法のリスクの評価に基づいて、海外進出の初期のスキーム選択の段階から最適なアドバイスを行います。

販売代理店契約、ライセンス契約書、FC契約の作成

輸出取引や販売店契約、代理店契約を海外企業と締結するにすぎない場合であっても、国内での取引とは異なり、貿易であることによる輸送にかかる危険や保険などに関する取り決め、商慣習の違いによる契約条件の相違、英文契約であることによる日本語の契約とは異なる部分への理解など、契約条件の交渉・契約書作成にあたって法的観点から検討しなければならない事項は多くあります。当事務所には、販売代理店契約書、ライセンス契約書、フランチャイズ契約書など、海外企業との間の英文及び日本語での各種契約書の作成及びレビューについては豊富な実績があります。

許認可取得

各国の法制度によっては、現地で販売活動を行うために監督官庁からの許認可を得ることを要求されることがあります。特に食品などについては当局の許可を得なければ販売できないとされていることが一般的です。そのような許認可申請についてユーロリーガルのメンバーファームやDezan Shiraとの協働により、現地法に基いたサポートを行います。

合弁事業

海外企業との合弁会社設立により、海外企業の持つネットワークを利用して販路拡大を目指す場合には、合弁契約の条件交渉、契約書作成が必要になってきます。交渉においては、依頼者の実情や個別的な事情を踏まえて、合弁の相手方企業との条件交渉に際して、出資比率、取締役会の構成、取締役会・株主総会の決議事項の設定、決議不能に陥った場合の具体的対処方法等についてアドバイスを行います。必要に応じて、現地弁護士とのネットワークを通じた情報収集、弁護士の派遣などによる現地法の調査も行っています。また、合弁事業の解消においても、清算や譲渡などのどのような方法によることが適切か、その際の合弁事業解消条件の交渉、合意書の作成などについても事業の状況に応じてアドバイスを行います。

M&A(企業買収)

現地法人を新たに設立するのではなく、海外企業を買収することによって海外進出を図る方法もあります。この場合には、株式譲渡や会社分割、事業譲渡など様々方法が考えられますから、海外の会社法や競争法等の法制度や事業の目的、スケジュールなどを考慮して適切な方法を選択する必要があります。そのような方法の選択、相手方企業との条件交渉、契約書作成に対して当事務所の豊富な経験に基づきサポートします。

従業員の雇用と雇用契約書の作成

当事務所では英語での雇用契約書を作成しています。雇用契約書については、現地の法令も関係しますので、現地の弁護士と協働して作成することもあります。雇用契約の場合、労働者保護法制が適用になりますので、経営上の支障になることがあります。そこで、雇用契約書に代えて、業務委託契約になるIndependent Contractors Agreementの締結をお勧めしています。この場合、現地で働く人は従業員ではなく、独立した個人事業主となります。

紛争解決のサポート

海外進出や現地でのビジネスにおいてやむを得ず国際商事紛争に発展した場合でも、現地での訴訟追行や仲裁機関での仲裁手続について現地の弁護士を指揮いたします。国際紛争における豊富な経験に基づいて最適なアドバイスをいたします。

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