• 2021.11.11
  • 国際紛争

アメリカの会社からの不当請求に対し、反論書を送付して解決した事例

国際紛争事案の概要

当事務所の顧問先のI社は、アメリカの会社から製品代金100万円を支払うよう請求を受けましたが、全く心当たりのない請求でした。I社の代表者は、おそらくアメリカの会社の間違いではないかと思い、無視することも考えていましたが、万一何かの問題に巻き込まれていたり、自分たちの側の誤解で債務の発生を見落としていた場合に、大変なことになる可能性もあるかと思いなおし、栗林総合法律事務所に相談に来られることになりました。

栗林総合法律事務所による紛争解決

当事務所では、I社の担当者からの聞き取りも行いましたが、今回の請求については、全くの心当たりのないものであり、アメリカの会社の誤解によるものではないかと判断しました。そこで、栗林総合法律事務所で、アメリカの会社に対する回答案を英語と日本語で作成しました。日本語のものは、依頼者用で、依頼者の方で内容をよく理解してもらい、必要に応じて内容の修正などを行うためのものです。依頼者の了解を得て、栗林総合法律事務所のレターヘッドのついた書面で反論書を提出したところ、その後アメリカの会社からは何がしかの請求をしてくることは一切ありませんでした。

国際紛争解決のポイント

海外の取引先などから、不当なクレームや請求がなされることも多くあります。日本の会社としては全く心当たりのないことであったり、その事実関係についてある程度は把握していても、自分たちの責任ではないと考えているにもかかわらず、突然海外の会社から請求がなされた場合、不当請求、不当クレームであることが明らかであるとして、頭に来ることが良くあります。このような場合でも、場合によっては、先方が異なった事実認識のもとに、日本の会社の責任を追求している可能性もあります。その場合、日本の会社が請求を全く無視して何らの反応をしない場合には、先方としてはやむを得ず海外の裁判所に対して損害賠償請求訴訟を提起してくるということも考えられます。日本の会社が損害賠償請求訴訟に一切対応しない場合には、欠席判決(default judgement)がなされて、将来その判決が日本で強制執行される可能性もないとは言えません。従って、海外の会社から明らかに不当と思われる請求やクレームがなされた場合であっても、そのまま放置しておくのは好ましいことではなく、きちんとした反論書(Rebuttal Letter)を提出しておくのが好ましいと思われます。その反論書自体が将来証拠となってくることもあります。

栗林総合法律事務所のサービス

栗林総合法律事務所では、国際取引を行う当事者間の意思疎通の齟齬や商慣習の違いによって生じる様々な問題について、日本企業の代理人として依頼者の立場を相手先企業に対して明確に伝え、取引条件の改善や明確化を求めていきます。また、取引の過程における紛争について双方の意見の対立がある場合には、双方の意見を聞きながら、当該環境下における好ましい妥協点はどこであるかを探っていき、当事者を説得しながら双方のビジネス上のメリットを最大化できる合意を導いていきます。単に、依頼者側の利益の立場からの一方的な意見の主張を行うのではなく、ビジネス上の観点から当事者双方に最も好ましい解決策を導き出し、それを両当事者に納得してもらうことが重要なポイントであると考えています。また、このような交渉を経て合意された内容については、法律上の権利義務であることを明確にするために、取引基本契約書の契約条項の改定や、メモランダム(Memorandum)やサイドレター(Side Letter)の形で書面化し、当事者双方の署名押印を取得していきます。これらの書面は全て英語で作成されます。また、場合によっては和解合意書(Settlement Agreement)として、双方の意見の相違がある中で、紛争解決がなされたことを明確にしておくこともあります。栗林総合法律事務所では、国際間の紛争における条件交渉の他、合意された内容を反映する各種書面のドラフトも行い、日本企業が巻き込まれる国際紛争について解決のためのサポートを提供しています。なお、国際紛争の解決に関する業務については、原則としてタイムチャージによる請求となりますが、顧問先企業については、国際紛争に関する法律相談料の他、和解交渉や書面作成に関する弁護士報酬についても通常の場合よりも2割のディスカウントを受けることができます。詳細については、栗林総合法律事務所のお問い合わせフォームからお問合せください。