• 2021.11.11
  • 国際紛争

国際取引売買契約書において製品の瑕疵に関する覚書を作成した事例

栗林 勉

執筆者情報

栗林 勉Tsutomu Kuribayashi

栗林総合法律事務所の代表であり、米国ニューヨーク州の弁護士資格を有する国際弁護士。国内企業法務の他、国際的紛争の解決や国際取引に関する契約書の作成、中小企業の海外進出支援などの業務を幅広く扱っている。

国際紛争事案の概要

当事務所の顧問先である日本企業Xは、韓国企業との間において商品売買基本契約(Basic Sale and Purchase Agreement)を締結し、電化製品を輸入し、日本国内で販売していました。売買基本契約は、韓国の会社から提示されたものにそのままサインしたものですが、商品の売買についての基本的事項のみを記載した3ページほどの簡単な契約であり、製造物責任や品質保証責任については何らの定めがなされていませんでした。日本企業Xの代表者としては、韓国から輸入する商品自体についてそれほど大きな期待をしていたわけではありませんが、商品の取扱高が増加するにしたがって、商品売買基本契約書の内容が不十分であり、将来取引先との間で問題が生じた場合に、日本企業X社が最終的な責任を負わされることにならないかどうか不安になってきました。そこで、日本企業X社の代表取締役は、栗林総合法律事務所に相談に来られることになりました。

栗林総合法律事務所による紛争解決

栗林総合法律事務所で、英文の売買取引基本契約書を確認しましたが、X社の代表者が言うように、売買の基本的条項のみが定められており、製造物責任や品質保証についての規定は一切書かれていませんでした。日本国内で商品を販売するのはX社ですから、もし当該製品の使用によってエンドユーザーが怪我をしたり、品質に問題が生じた場合には、X社が一時的には責任を負わなければなりません。もちろん製造物責任にしろ品質保証責任にしろ、最終的な責任はメーカーにあることは明らかですので、万一日本企業であるX社がエンドユーザーに損害賠償を行う事態が生じた場合には、X社は韓国の会社に対して求償をすることができると考えられます。しかしながら、契約書において韓国の会社の責任が明確に書かれていないことは、将来裁判になった時に、韓国の会社から責任逃れの反論がなされる恐れがないとは言えません、そこで、X社にとっては契約上のリスクがある状態にあると言えます。当事務所は、依頼者であるX社を代理して韓国企業と交渉を行い、万一、日本企業が顧客に対して賠償金を支払わなければならなくなったときは全て韓国企業で補填する旨の覚書(メモランダムやサイドレター)を作成することができました。

国際紛争解決のポイント

国際取引に関する契約書については、契約が調印できただけで満足し、その契約内容が想定される様々な事態に対して適切に対応できる内容になっているかどうかを十分に検証していないことも多くあります。また、仮に契約書の内容を検証していたとしても、時間の経過とともに取引の実体との間に齟齬が生じてくることもあります。栗林総合法律事務所では、英文契約書を作成だけでなく、依頼者からの依頼に基づき、すでに作成された契約書の改定や、契約内容の明確化を図るための支援も行っています。このサービスの中には、依頼者にとって好ましい内容の契約条項を提案するだけでなく、相手方当事者との協議交渉を通じて契約条項の改定をまとめ上げる作業も含まれています。協議が成立した場合には、合意された事項について、契約書の修正(addendum)、覚書(Memorandum)、確認書(Side-Letter)などの形で文書化し、双方の代表者の署名押印によって、合意事項を書面上も明らかにしていきます。取引の金額が大きくなってきた場合や、取引の期間が長期に及ぶ場合には、定期的に契約内容の見直しを行い、契約条項が取引の実態に応じた内容であるかどうかを確認しておくことも重要と言えます。

栗林総合法律事務所のサービス

栗林総合法律事務所では、国際取引を行う当事者間の意思疎通の齟齬や商慣習の違いによって生じる様々な問題について、日本企業の代理人として依頼者の立場を相手先企業に対して明確に伝え、取引条件の改善や明確化を求めていきます。また、取引の過程における紛争について双方の意見の対立がある場合には、双方の意見を聞きながら、当該環境下における好ましい妥協点はどこであるかを探っていき、当事者を説得しながら双方のビジネス上のメリットを最大化できる合意を導いていきます。単に、依頼者側の利益の立場からの一方的な意見の主張を行うのではなく、ビジネス上の観点から当事者双方に最も好ましい解決策を導き出し、それを両当事者に納得してもらうことが重要なポイントであると考えています。また、このような交渉を経て合意された内容については、法律上の権利義務であることを明確にするために、取引基本契約書の契約条項の改定や、メモランダム(Memorandum)やサイドレター(Side Letter)の形で書面化し、当事者双方の署名押印を取得していきます。これらの書面は全て英語で作成されます。また、場合によっては和解合意書(Settlement Agreement)として、双方の意見の相違がある中で、紛争解決がなされたことを明確にしておくこともあります。栗林総合法律事務所では、国際間の紛争における条件交渉の他、合意された内容を反映する各種書面のドラフトも行い、日本企業が巻き込まれる国際紛争について解決のためのサポートを提供しています。なお、国際紛争の解決に関する業務については、原則としてタイムチャージによる請求となりますが、顧問先企業については、国際紛争に関する法律相談料の他、和解交渉や書面作成に関する弁護士報酬についても通常の場合よりも2割のディスカウントを受けることができます。詳細については、栗林総合法律事務所のお問い合わせフォームからお問合せください。