• 2022.04.07
  • クロスボーダーM&A

日本の会社の株式をアメリカの会社から購入した事例

事案の概要

当事務所の依頼者(上場企業)は、アメリカのM&A仲介会社からの紹介で、アメリカの企業が有する日本の会社の株式(100%)を取得することを検討することになりました。アメリカの企業は世界的なグループ会社の再編を検討しており、本業以外の事業分野については戦略的な対象事業外ということになり、これに関連する業務を行っている子会社については、全て売却するという事になりました。そこでアメリカの企業はアメリカのM&A仲介会社に依頼して、ヨーロッパ、アジア、日本における子会社については、入札手続きにより最も高価な買い付け申し出を行った会社に対して売却することを提案してきていました。当事務所の依頼者としては、対象となる日本企業が、依頼者の本業にマッチした事業を行っており、対象企業を買収することで優良顧客を獲得できるなど一定のシナジーが得られる見込みが大きいと判断し、この入札手続きに参加することになりました。当事務所の依頼者は、LOI(レター・オブ・インテント)の作成方法、株式譲渡契約書(SPA)の修正、その他、入札手続きに関連する各種法的事項を確認したいという事で栗林総合法律事務所に相談に来られました。

栗林総合法律事務所のサービス内容

今回の入札手続きについては、アメリカのM&Aの仲介会社が入札手続きを仕切っており、その方法やスケジュールについてはアメリカのM&Aの仲介会社の定められた手順に従う必要がありました。当事務所では、依頼者からの要求に基づき、LOI(レター・オブ・インテント)の内容を確認し、英語訳を作成することで、入札申し込みを完了しました。LOI(レター・オブ・インテント)は、契約形式の買い付け申込書に相当し、秘密保持条項や管轄条項など一定の契約条項を除いて法的拘束力を有するものではありません。従って、買い付け申込金額についても、必ずしも拘束力を有する申し込みではなく、その後のデューデリジェンス(対象企業の法務監査)や株式譲渡契約書(Share Purchase Agreementの頭文字を取ってSPAと言われます)の契約内容に応じて取引金額に変動があるものです。しかし、譲渡人であるアメリカの企業からすれば、各会社から提出のあったLOI(レター・オブ・インテント)の内容を確認し、二次入札に進む企業を判定することになりますので、買い付け企業がどのような企業であるのか(特に資金的裏付けを有する会社であるかどうか)とともに、大きな買い付け金額の提示がなされた企業を最終候補者として指定することになります。そこで、LOI(レター・オブ・インテント)の作成、提出にあたっては、買い付け候補となる会社がどのような会社であり、本件の買収を行うに際して十分な資金的裏付けを有していることや、買主側で考える買収スキーム、申し込みを行う買収金額(一定の幅をもった金額で提示されることも問題ありませんが、そのレンジの中で最も小さな金額での提示がなされたものとみなされる可能性があります)などを英文にまとめて提出することが必要となります。また、M&Aの仲介会社からは、対象会社の株式譲渡を前提とする株式譲渡契約書(SPA)の契約条項が送られてきていますので、LOIの提出と同時に株式譲渡契約書(SPA)の内容についてのコメントを提出することが求められるのが通常です。株式譲渡契約書(SPA)については、その後のデューデリジェンスの期間を通じて協議交渉が続けられますので、この段階でSPAの内容について十分なコメントがなされなくとも、その後に修正を行う機会は十分にあります。しかしながら、相手方企業からすれば、買主の候補者がどのような契約条項を基にその金額を提示してきているのかを知るためには、株式譲渡契約書(SPA)の内容についての提案も非常に重要であると思われます。栗林総合法律事務所では、売主から送られてきた株式譲渡契約書(SPA)についての一般的な解説と修正提案(英語による契約条項)を依頼者に提案するとともに、依頼者からの要望に応じて株式譲渡契約書に様々な契約条項の追加・修正を行いました。これらの契約条項については、全て英語で作成しています。

栗林総合法律事務所の国際取引サポート

対象企業が日本企業である場合

栗林総合法律事務所では、これまで多くのクロスボーダーM&A案件に関与してきました。日本企業が当事者として関与するクロスボーダーM&A案件としては、日本企業の株式を外国企業に譲渡する場合や、日本企業の株式を外国企業から取得する場合が多くあります。これらのM&A案件においては、株式の譲渡人または譲受人のどちらかが外国企業であり、日本企業としては、外国企業との間において契約交渉を行う必要があります。また、M&Aの手続きについては、国際的要素を含むと思われますので、一般的に認知されている国際的M&Aの手順に従って手続きを行う必要があります。但し、対象となっている会社が日本の会社であることから、日本の法律が準拠法となることが多く、また、対象企業の法務監査(デューデリジェンス)についても日本の法律に基づいて行われることになります。従って、日本の会社法についての理解が重要となり、日本の弁護士が中心となって案件を処理することになると思われます。なお、買収の対象となる企業が日本の会社である場合においても、売主と買主の双方が外国企業ということもあります。栗林総合法律事務所では、このように売主と買主の双方が外国企業であるM&A案件についても多く関与した経験があります。売主と買主の双方が外国企業であるいわゆる外々(そとそと)案件においても、日本の会社法に基づく手続きがきちんとなされているかどうかをチェックすることが重要である点では日本の弁護士の重要性は変わりません。

対象企業が外国企業である場合

栗林総合法律事務所では、M&Aの対象となる会社(Target Company)が外国企業である場合のM&A案件のサポートを求められることも多くあります。当事務所に相談に来られる場合は、対象企業が外国企業であっても、買主と売主のいずれかが日本企業である場合がほとんどです。買主が日本企業である場合は、当該日本企業は、外国企業を買収することで、海外進出の拠点を確保することが可能となります。売却する会社は、現地の会社のオーナーであったり、他の日本企業であったりします。いずれにしても買い付けを行う日本企業からすれば、海外進出の一つの方法として行われることになります。一方、売主である会社が日本企業の場合もあります。売主である会社からすれば、グループの再編の観点から対象企業をグループ外に放出する場合や、海外事業における事業目的を達成したことから、海外事業から撤退する一つの方法として対象企業の株式譲渡(M&A)が行われることになります。

栗林総合法律事務所のサービス内容

国際的要素を有するクロスボーダーM&Aにおいても、行う手続きは日本のM&Aと異なりません。最初に、買付申込書(LOIの形をとることもあれば、Non-Binding Offerとしてレター形式で提出されることもあります)を英語で作成し、M&Aの仲介会社に提出することになります。その後、対象会社の法務監査や株式譲渡契約書(SPA)の内容の精査を行い、依頼者の希望する条項案を株式譲渡契約書(SPA)のドラフトに反映して提出することになります。もちろん、売主の側からすれば、売主の責任を定める保証表明条項については、その範囲をできるだけ限定したいと考えますし、買主の立場からすれば、対象企業の内容については十分な理解や検討がなされているわけではありませんので、例えばキーとなる従業員が退職するなど、想定と異なる事態が生じた場合は、売主の側で買収価格を減額するなどその負担をしてもらいたいと考えるのが通常です。そこで、契約条項をどのようにまとめるかについては、売主の側の代理人(弁護士)と買主の側の代理人(弁護士)との間で繰り返し協議を行い、その内容を確定させていく作業が必要となります。栗林総合法律事務所では、依頼者が希望する契約条項を英語で作成し、相手方の代理人弁護士とZoomなどでの協議を持ちながら、契約条項をまとめていく作業を支援いたします。なお、契約条項に関する交渉については、ニューヨーク州の弁護士資格を有する栗林自身が直接行うことになりますが、事案によっては、栗林総合法律事務所と契約いただいているコンサルタント(アメリカの弁護士資格を有するネイティブの弁護士)と一緒に会議に参加し、また契約条項についてはネイティブチェックを受けながら契約条項を作成していきます。また、栗林総合法律事務所では、対象となる企業が日本企業である場合には、対象となる企業の法務監査を行い、法務監査報告書を日本語または英語で提出します。日本企業を対象とするM&Aについては、栗林総合法律事務所の弁護士及びスタッフが、対象企業の法務監査を行い、監査報告書を作成します。対象となる企業が外国企業の場合は、現地の法律事務所に依頼し、対象企業の法務監査を行ってもらい、その結果について日本語または英語により依頼者に報告書を提出することになります。なお、対象会社が外国企業である場合には、栗林総合法律事務所が現地の法律事務所を選定し、依頼者に対して推薦するだけでなく、手続きの全ての過程を通じて現地の法律事務所を監督し、依頼者の希望が反映されるようアドバイスを行ってまいります。また、栗林総合法律事務所では、クロージングにおけるサポート業務として、クロージング時に提出する各種書類を作成したり、認証を行うことで、必要な書類を漏れがないような形で相手方に提出できるよう書類の準備を整えます。クロージング時には、クロージング時に交付する書面のチェックリストを作成し、それぞれの書類が契約書通りに作成されているかどうかを事前に双方の代理人間で確認するとともに、提出書類については受領書を作成してもらうなどして、貴社が契約条項を満たしたことの証拠を作成していきます。

企業買収案件に関する弁護士費用(例)

クロスボーダーM&A案件における栗林総合法律事務所の弁護士報酬については、タイムチャージ制で行うのが一般的です。パートナー弁護士の1時間当たりの弁護士報酬(ビラブルレート)は3万5000円(消費税別)であり、アソシエイト弁護士の1時間当たりの弁護士報酬(ビラブルレート)は2万5000円(消費税別)となります。栗林総合法律事務所では、毎月弁護士報酬に関する明細書(ディスクリプション)を作成し、弁護士報酬の金額と一緒に明細書を送付することで、弁護士報酬の金額が明確に理解できるように努めています。また、依頼者からの求めがある場合は、事前に弁護士報酬の見積書を提出し、概算額をお示しすることも多くあります。例えば、ノンバインディングオファーに関する作成業務として50万円、対象企業の監査報告書の作成として200万円、SPAの契約条項の作成支援及び相手方当事者との契約交渉について200万円、クロージング手続きのサポート・支援について100万円などとなります。但し、対象会社の規模などによって報酬の金額は異なってきますので、具体的な金額については、当事務所まで個別にお問合せください。